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■ 会計工房通信 【No.0212】
年金形式で受け取る生命保険金について、相続税と所得税が課税される
ことが二重課税にあたるのかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高
裁判所(第三小法廷)が今月6日に「違法な二重課税で所得税課税は許さ
れない」との判断を示しました。
この判決を受けて課税当局では従来の課税上の取り扱いを変更すること
になるものと思われるため、今後の動向が注目されます。
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税務・会計トピックス
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◆最高裁が年金型の生命保険金に対する相続税と所得税の二重課税を認定◆
年金形式で受け取る生命保険金について、相続税と所得税が課税される
ことが二重課税にあたるのかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高
裁判所(第三小法廷)が今月6日に「違法な二重課税で所得税課税は許さ
れない」との判断を示しました。
この訴訟は、原告の夫が生命保険会社との間で締結していた生命保険契
約について、原告の夫の死亡により原告が受け取った年金払保障特約年金
が、雑所得に係る収入金額にあたるとして、所轄税務署長が原告の他の所
得に加算して所得税の更正処分を行ったことに対して、原告がその取消し
を求めて争いとなったものです。
年金払保障特約年金を受け取る権利(年金受給権)は、上記の所得税の
更正処分の対象となったことに加えて、原告の夫の死亡により提出された
相続税の申告書において、原告の取得した相続財産として相続税の課税対
象となっていました。すなわち、年金払保障特約年金が相続税と所得税と
いうふたつの税の課税対象とされており、そのことの是非が訴訟における
大きな争点のひとつとなっていました。
平成18年11月の第一審長崎地裁判決では二重課税であるとして課税当
局の処分を取り消しましたが、平成19年10月の控訴審福岡高裁判決では国
側の主張が認められて納税者側が逆転敗訴し、納税者側の上告により最高裁
判所において審理が行われてきました。
従来の課税上の取り扱いにおいては、被保険者の死亡後に生命保険金の
一部を特約の年金形式で遺族が受け取る保険商品については、年金を受給
することができる権利(年金受給権)が相続財産として相続税の課税対象
となることとされており、さらに、実際に受け取った年金は、毎年の受取
額に応じて「雑所得」として所得税の課税対象とされてきました。
今回の最高裁判決では、こうした従来の取扱いを覆し、相続税と所得税
の二重課税が生じているとの判断を示しました。
報道によると、今回の訴訟で問題となった保険契約と同種の契約はすく
なくとも数百万件にのぼるとされています。今回の判決を受けて課税当局
では課税上の取り扱いを変更することになるものと思われます。また、す
でに所得税の課税を受けているものについては還付を受けることができる
場合があるものと考えられるため、今後の動向が注目されます。
関連するリンク(国税庁・裁判所)
→ http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h22/
9291/index.htm
→ http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100706114147.pdf
→ http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080623102751.pdf
→ http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070410174433.pdf
【このコーナーでは、税務・会計に関する最新の話題やちょっと気になる
話題を紹介しています。】
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人事・労務トピックス
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◆イクメンプロジェクト◆
厚生労働省では、6月17日に、男性の子育て参加や育児休業取得の促進
などを目的とした「イクメンプロジェクト」を始動しました。
「イクメンプロジェクト」とは、働く男性が、育児をより積極的にする
ことや、育児休業を取得することができるよう、社会の気運を高めること
を目的としたプロジェクトです。
厚生労働省によると、昨今は育児を積極的にする男性「イクメン」が話
題となっているもののまだまだ一般的でないのが現状で、2010年6月30日
施行の改正育児・介護休業法の趣旨も踏まえて、育児をすることが、自分
自身だけでなく、家族、会社、社会に対しても良い影響を与えるという
メッセージを発信しつつ、「イクメンとは、子育てを楽しみ、自分自身も
成長する男のこと」をコンセプトに、このプロジェクトを通じて社会にそ
の意義を訴えていくということです。
厚生労働省では、「イクメン」をより幅広くPRしていくため、「イクメ
ンプロジェクト」サイトを立ち上げました。サイトでは、広く国民からの
「イクメンの星」の公募や、「イクメン宣言」、「イクメンサポーター宣
言」を募っています。「イクメンの星」は、応募者の中から、「イクメン
プロジェクト推進チーム」の厳選なる審査の上、毎月一名を選定するとい
うことです。
育児に関心、意欲のある方、まずはこのサイトを訪問してみてはいかが
でしょうか。
関連するリンク(厚生労働省・イクメンプロジェクトWEBサイト)
→ http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000725v.html
→ http://www.ikumen-project.jp/index.html
【このコーナーでは、人事・労務に関する最新の話題やちょっと気になる
話題を紹介しています。】
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実務便利帳
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◆背広の支給による経済的利益◆
会社が社員や役員に対して制服という名目で背広を支給した場合、福利
厚生費などの通常の経費として処理することはできるのでしょうか。国税
庁の質疑応答事例で確認してみましょう。
○ 回答要旨
所得税法上非課税とされる制服等には当たらないことから、給与所
得として源泉徴収をする必要があります。
○ 制服、事務服等の支給または貸与を非課税としている基本的な考え方
制服等の支給は、給与所得者の職務の遂行上欠くことのできないもの
であると同時に、その給付は使用者(=会社等)自身の業務上の必要性
に基づくものであって、給与所得者の勤務条件上も使用者が負担すべき
ものとされている場合が多く、その費用を支出すべき主体は、使用者と
みることができます。
このように、制服等の支給による経済的利益は一種の反射的利益で
あって、給与所得者に特別な利益を与えるものではなく、また、給与所
得者の役務提供に対する対価という性格が極めて希薄なものであること
から、一定の制服の支給を非課税として取り扱うこととしています
(所得税法施行令第21条第2号、第3号)。
○ 非課税とされる制服等の範囲
「制服」とは、「ある集団に属する人(学生、警察官など)が着るよ
うに定められた服装」であるとされ、非課税とすることを予定している
ものは、このような意味での制服、すなわち、警察職員、消防職員、刑
務職員、税関職員、自衛官、鉄道職員などのように組織上当然に制服の
着用を義務づけられている一定の範囲の者に対し使用者が支給する制服
に限定しているものと考えられます。
一方、所得税基本通達では非課税となる制服の範囲を若干緩めて、必
ずしも職務上の着用義務がそれほど厳格とはいえない事務服、作業服等
についても非課税として取り扱うこととしていますが、この取扱いは、
事務服等の支給または貸与によって受ける経済的利益は、制服等の支給
または貸与の場合のそれと実質的に差異がないことから、課税上同様に
取り扱うという趣旨です。
したがって、その事務服、作業服等の支給が非課税とされるためには、
それが、
(1) 専ら勤務する場所において通常の職務を行う上で着用するもので、
私用には着用しないあるいは着用できないものであること、
(2) 事務服等の支給または貸与が、その職場に属する者の全員または一
定の仕事に従事する者の全員を対象として行われるものであること
(更に厳格にいえば、それを着用する者がそれにより一見して特定の
職員または特定雇用主の従業員であることが判別できるものであるこ
と)、
が必要であると考えられます。
このことから、制服等として支給され、職務の遂行に当たり現に着用
されているものであっても、これらの要件を満たさないものは、非課税
とされる制服等には当たらないと考えられます。
<注意事項>
※ 平成21年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成されています。
※ この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答
であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありません
から、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合において
は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注
意ください。
関連するリンク(国税庁 質疑応答事例)
→ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/
shitsugi/gensen/03/27.htm
【このコーナーでは、経理・総務の実務で役立つ話題を取り上げています。】
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7月のお仕事
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【6月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付】
納期限・・・ 7月12日(月)
※ 6ヶ月ごとの納付の特例の適用を受けている場合は、1月から6月まで
の徴収分を7月12日までに納付
【所得税の予定納税額の減額申請】
申請期限・・・ 7月15日(木)
【5月決算法人の確定申告】<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・
(法人事業所税)・法人住民税>
申告期限・・・ 8月2日(月)
【所得税の予定納税額の納付(第1期分)】
納期限・・・ 8月2日(月)
【2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告】
<消費税・地方消費税>
申告期限・・・ 8月2日(月)
【法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告】<消費税・地方
消費税>
申告期限・・・ 8月2日(月)
【11月決算法人の中間申告(半期分)】<法人税・消費税・地方消費税・
法人事業税・法人住民税>
申告期限・・・ 8月2日(月)
【消費税の年税額が400万円超の2月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間
申告】<消費税・地方消費税>
申告期限・・・ 8月2日(月)
【消費税の年税額が4,800万円超の4月、5月決算法人を除く法人・個人事
業者の1月ごとの中間申告(3月決算法人は2ヶ月分)】<消費税・地方
消費税>
申告期限・・・ 8月2日(月)
【固定資産税(都市計画税)の第2期分の納付】
納期限・・・ 7月中において市町村の条例で定める日
【労働保険申告】
申告期限・・・ 6月1日~7月12日(月)
【健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届】
提出期限・・・ 7月1日~7月12日(月)
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株式会社会計工房 / 安藤裕税理士事務所からのご案内
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安藤がそのときに思っていること、感じていることをお伝えするメールマ
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発行はほぼ日刊。安藤の考え方がよくわかります。
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→ http://www.mag2.com/m/0000150574.html
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編集後記
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5月に引越しをしたのですが、参議院選挙の案内が転居前の住所地の区
役所から送られてきました。1ヶ月以上前に転出転入の手続きをしたのに
なぜだろうと思っていましたが、どうやら転入先の自治体で選挙人名簿に
登録されるまでに3ヶ月以上かかるようで、まだ転居後の住所地では登録
されていないようです。一方、転居前の住所地では転出から一定期間は選
挙人名簿から削除されないようなので、前の住所地の区役所から案内が送
られてきたのでしょう。行政の手続上しかたのないことかもしれませんが、
微妙に遠いところになってしまったので、わざわざ選挙のために出かける
ことになるのはとても不便です。(編集担当 竹城)
◆最後までお読みいただき、ありがとうございました。
会計工房通信は毎週木曜日に発行します。次回の発行予定は7月15日です。
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