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会計工房通信 【No.0184】

  前々回のメールマガジン(No.182)では、年末調整に関係の深い所得控
 除として、「扶養控除」「配偶者控除」「配偶者特別控除」を取り上げま
 した。

  今回は、やはり年末調整で処理することの多い所得控除として「生命保
険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」を特集します。これら
の控除について共通する注意点は「誰が」その保険料を支払ったのかとい
う点です。また、生命保険料控除、地震保険料控除は対象となる契約の範
囲についても注意が必要です。

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                  実務便利帳(その1)
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◆生命保険料控除◆

 1.制度の概要
納税者が生命保険料や個人年金保険料を支払った場合には、一定の金
額の所得控除を受けることができます。これを生命保険料控除といいま
す。

 2.対象となる生命保険料
対象となる生命保険料は、保険金などの受取人のすべてを自己または
自己の配偶者、その他の親族とする生命保険契約等の保険料や掛金です。
この場合の生命保険契約等からは、生命保険会社等と契約した保険契
約のうち保険期間が5年未満で一定のもの及び外国生命保険会社等と国
外で締結したものなどが除かれます。

 3.対象となる個人年金保険料
対象となる個人年金保険料は、個人年金保険契約等の保険料や掛金で
す。この個人年金保険契約等とは、生命保険会社等と契約した年金(退
職年金を除く)を給付する定めのある一定の生命保険契約、生命共済契
約のうち、次の要件に該当するものです。

(1) 年金の受取人は、保険料若しくは掛金の払込みをする者、または
その配偶者となっている契約であること。
(2) 保険料等は、年金の支払を受けるまでに10年以上の期間にわたっ
て、定期に支払う契約であること。
(3) 年金の支払は、年金受取人の年齢が原則として満60歳になってか
ら支払うとされている10年以上の定期または終身の年金であること。

 4.生命保険料控除の控除額の計算方法
生命保険料控除の控除額は、生命保険料と個人年金保険料についてそ
れぞれ次の区分に応じて、それぞれの計算式に当てはめて計算します。
この方法で計算した金額の合計額が生命保険料控除額です。

  〔年間の支払保険料の合計〕 〔控除額〕
(1) 2万5千円以下 支払金額
(2) 2万5千円超 5万円以下 支払金額÷2+1万2,500円
(3) 5万円超  10万円以下 支払金額÷4+2万5,000円
(4) 10万円超 5万円

 (注)支払った保険料とは、その年に支払った金額から、その年に受け
た剰余金や割戻金を差し引いた残りの金額をいいます。
生命保険料及び個人年金保険料の控除額はそれぞれ最高5万円で
すから、生命保険料控除額は合わせて最高10万円となります。

 5.適用を受けるための手続
生命保険料控除を受ける場合には、確定申告書の生命保険料控除の欄
に記入するほか、支払金額や控除を受けられることを証明する書類を確
定申告書に添付するかまたは確定申告書を提出する際に提示してくださ
い。
ただし、上記2の生命保険契約等で年間保険料が9千円以下のものと
年末調整の際に控除を受けたものは、その必要がありません。

 関連するリンク(国税庁・タックスアンサー)
→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1140.htm
→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1141.htm

 【このコーナーでは、経理・総務の実務で役立つ話題を取り上げています。】

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                  実務便利帳(その2)
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◆地震保険料控除◆

 1.制度の概要
納税者が特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料や掛金
を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。
これを地震保険料控除といいます。

 2.対象となる損害保険契約等
控除の対象となる保険や共済の契約は、自己もしくは自己と生計を一
にする配偶者その他の親族が所有している家屋で常時その居住の用に供
するものまたはこれらの者の有する生活用動産を保険や共済の目的とす
る契約で、かつ、地震、噴火または津波を原因とする火災、損壊等によ
る損害をてん補する保険金や共済金が支払われるものに限られます。

 3.長期損害保険契約等に係る損害保険料
平成18年の税制改正で、平成19年分から損害保険料控除が廃止されま
した。
しかし、経過措置として以下の要件を満たす一定の長期損害保険契約
等に係る損害保険料については、地震保険料控除の対象とすることがで
きます。
(1) 平成18年12月31日までに締結した契約(保険期間または共済期間
の始期が平成19年1月1日以後のものは除く)
(2) 満期返戻金等のあるもので保険期間または共済期間が10年以上の
契約
(3) 平成19年1月1日以後にその損害保険契約等の変更をしていないも

 4.地震保険料控除の控除額
その年に支払った保険料の金額応じて、次の区分に応じて、それぞれ
の計算式により計算した金額が控除額となります。

  (1) 地震保険料

〔年間の支払保険料の合計〕 〔控除額〕
5万円以下 支払金額
5万円超 5万円

  (2) 旧長期損害保険料

〔年間の支払保険料の合計〕 〔控除額〕
1万円以下 支払金額
1万円超2万円以下 支払金額÷2+5千円
2万円超 1万5千円

  (3) (1)、(2)両方がある場合
  (1)、(2)それぞれの方法で計算した金額の合計額(最高5万円)

 (注)一の損害保険契約等または一の長期損害保険契約等に基づき、地
震保険料及び旧長損害保険料の両方を支払っている場合には、納税
者の選択により地震保険料または旧長期損害保険料のいずれか一方
の控除を受けることとなります。

 5.適用を受けるための手続
地震保険料控除を受ける場合には、確定申告書に地震保険料控除に関
する事項を記載するほか、支払金額や控除を受けられることを証明する
書類を確定申告書に添付するか、または申告の際に提示してください。
ただし、年末調整で控除された場合はその必要がありません。

 関連するリンク(国税庁・タックスアンサー)
→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1145.htm
→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1146.htm

 【このコーナーでは、経理・総務の実務で役立つ話題を取り上げています。】

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                  実務便利帳(その3)
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◆社会保険料控除◆

 1.制度の概要
社会保険料控除は、納税者が自己もしくは自己と生計を一にする配偶
者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合または給与か
ら控除される場合などに受けられる所得控除です。

 2.控除額 
控除できる金額は、その年に実際に支払った金額または給与や公的年
金から差し引かれた金額の全額です。

 3.対象となる社会保険料
社会保険料控除の対象となる社会保険料は次のものです。
(1) 健康保険、国民年金、厚生年金保険及び船員保険の保険料で被保
険者として負担するもの
(2) 国民健康保険の保険料又は国民健康保険税
(3) 高齢者の医療の確保に関する法律の規定による保険料
(4) 介護保険法の規定による介護保険料
(5) 雇用保険の被保険者として負担する労働保険料
(6) 国民年金基金の加入員として負担する掛金
(7) 厚生年金基金の加入員として負担する掛金
(8) 国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法等の規定による
掛金、納付金または納金
(9) 労働者災害補償保険の特別加入者の規定により負担する保険料
(10) その他一定のもの

  (注)平成17年分以降、国民年金の保険料及び国民年金基金の掛金に
係る社会保険料控除の適用については、その保険料または掛金の
金額を証する書類を確定申告書もしくは年末調整の際に提出する
「給与所得者の保険料控除申告書」に添付するか、これらの申告
書を提出する際に提示する必要があります。

 Q1 生計を一にしている子供の国民年金保険料を過去3年分まとめて
支払いましたが、その支払った全額を私の本年分の社会保険料控除
の対象としてよいでしょうか。

 A1 本年中に支払ったものであれば、過去の年分のものであっても本
年分の社会保険料控除の対象になります。
((所法74)

 Q2 本年中に翌年3月までの1年間分の国民年金保険料を支払いました
が、その支払った全額を本年分の社会保険料控除の対象としてよい
でしょうか。

 A2 前納した期間が1年以内のものについては、本年分の社会保険料
控除の対象として差し支えありません。
(所基通74・75-2)

 Q3 生計を一にしていた子が本年4月に他県に引っ越しました。引っ
越し後の生計は別になりましたが、その後も子の国民年金保険料は
私が毎月支払っています。この場合、私が支払った子の国民年金保
険料は全額、私の社会保険料控除の対象としてよいでしょうか。

 A3 居住者が自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族の
負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額をそ
の居住者の社会保険料控除の対象とすることができます。
この場合の「自己と生計を一にする配偶者その他の親族」に該当
するかどうかの判定時期については、国民年金保険料を支払った時
点で判定して差し支えありません。
したがって、あなたが支払った子の国民年金保険料のうち、生計
を一にしていた期間、すなわち、1月から3月に支払った国民年金保
険料についてのみ、あなたの本年分の社会保険料控除の対象とする
ことができます。

 Q4 扶養している私の妻の公的年金から介護保険料が特別徴収されて
いる場合、私の社会保険料に加えて妻の介護保険料についても私が
社会保険料控除の適用をうけることができますか。

 A4 介護保険料などの社会保険料が、あなたの妻の公的年金から特別
徴収されている場合、その社会保険料を支払ったのは妻になります。
したがって、あなたが支払った社会保険料ではありませんから、あ
なたの社会保険料控除の対象にはなりません。

 Q5 長寿医療制度の保険料を、年金から特別徴収された場合と口座振
替により支払った場合で、社会保険料控除の取扱いはどのようにな
りますか。

 A5 社会保険料控除については、居住者が、各年において、自己また
は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険
料を支払った場合には、その支払った者に社会保険料控除が適用さ
れることになります。
平成20年4月から実施されている長寿医療制度では、原則として
その保険料が年金から特別徴収の方法により徴収されています。こ
の場合、その保険料を支払った者は年金の受給者自身であるため、
その年金の受給者に社会保険料控除が適用されます。
一方、平成20年10月以降の保険料については、市区町村等へ一定
の手続を行うことにより、年金からの特別徴収に代えて、被保険者
の世帯主または配偶者が口座振替により保険料を支払うことが選択
できることとされました。この場合には、口座振替によりその保険
料を支払った世帯主または配偶者に社会保険料控除が適用されます。

 

 Q6 生計を一にする妻の長寿医療制度の保険料を私が口座振替により
支払いました。その保険料について、私が社会保険料控除の適用を
受けることができますか。

 A6 長寿医療制度の保険料について、平成20年10月以降の保険料につ
いては市区町村等へ一定の手続を行うことにより、年金からの特別
徴収に代えて、被保険者の世帯主または配偶者が口座振替により保
険料を支払うことが選択できることとされました。この場合には、
口座振替によりその保険料を支払った世帯主または配偶者に社会保
険料控除が適用されます。
したがって、あなたが口座振替により支払った保険料については、
あなたに社会保険料控除が適用されます。

 関連するリンク(国税庁・タックスアンサー)
→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1130.htm
→ http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1130_qa.htm

 【このコーナーでは、経理・総務の実務で役立つ話題を取り上げています。】

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                12月のお仕事
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【11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の
 住民税の特別徴収額(当年6月~11月分)の納付】
 納期限・・・ 12月10日(木)

【7月~12月分源泉所得税の納期限の特例届出書の提出】
提出期限・・・ 12月21日(月)

【10月決算法人の確定申告】<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・
(法人事業所税)・法人住民税>
申告期限・・・ 平成22年1月4日(月)

【1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告】
<消費税・地方消費税>
申告期限・・・ 平成22年1月4日(月)

【法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告】<消費税・地方
消費税>
申告期限・・・ 平成22年1月4日(月)

【4月決算法人の中間申告(半期分)】<法人税・消費税・地方消費税・法
人事業税・法人住民税>
申告期限・・・ 平成22年1月4日(月)

【消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間
申告】<消費税・地方消費税>
申告期限・・・ 平成22年1月4日(月)

【消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事
業者の1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)】<消費税・地方消
費税>
申告期限・・・ 平成22年1月4日(月)

【給与所得の年末調整】
調整の時期・・・ 本年最後の給与の支払をするとき

【給与所得者の保険料控除申告書、住宅取得等特別控除申告書の提出】
提出期限・・・ 本年最後の給与の支払を受ける日の前日
提出先 ・・・ 給与の支払者経由、その給与に係る所得税の納税地の
所轄税務署長

【固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付】
納期限・・・ 12月中において市町村の条例で定める日

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      株式会社会計工房 / 安藤裕税理士事務所からのご案内
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◆メールマガジン「中小企業のための本当の経理」◆

 税理士安藤裕がお届けするメールマガジン「中小企業のための本当の経理」
安藤がそのときに思っていること、感じていることをお伝えするメールマ
ガジンです。
発行はほぼ日刊。安藤の考え方がよくわかります。

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→ http://www.mag2.com/m/0000150574.html

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                   編集後記
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  司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」のドラマがNHKで始まりました。全
 13回を3年にわけて放送する予定で、今回は第1部の5話が毎週日曜日に放
 送されます。「坂の上の雲」は司馬遼太郎の本の中ではいちばん好きな作
 品だったので今回のドラマ化には大いに期待してます。そしてNHKの来
 年の大河ドラマは坂本龍馬の「龍馬伝」。こちらは原作のないオリジナル
 ということですが、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」も愛読していたので、見
 逃せない!と楽しみにしています。(編集担当 竹城)

◆最後までお読みいただき、ありがとうございました。
会計工房通信は毎週木曜日に発行します。次回の発行予定は12月17日です。

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