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会計工房通信 【No.0156】

  平成20年度の税制改正で教育訓練費の税額控除制度が改正され、従来
  の制度より利用しやすくなっています。

  今回の3月決算から新しい制度の適用対象となる会社が多いと思います。
  教育訓練費の支払いがある会社は適用の可否を検討してみましょう。

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              税務・会計トピックス
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◆中小企業者等における教育訓練費の税額控除◆

  平成20年度の税制改正において「教育訓練費の税額控除」制度が改正さ
  れています。

  従来あった大企業向けの制度は廃止され、適用対象は中小企業者等に限
  定されています。また、改正前の制度は、前2期の教育訓練費の平均に対
  する適用年度の増加額を計算要素としていたため、教育訓練費が増加し続
  けないと適用を受けられませんでしたが、新しい制度は適用年度における
  労務費に占める教育訓練費の割合を判定基準として教育訓練費の総額を
  計算要素とする制度となり、より使いやすい制度になりました。制度の概要
  は以下の通りです。

 1.制度の概要
    この制度は、中小企業者などが平成20年4月1日から平成21年3月31
   日までの間に開始する各事業年度において、損金算入される労務費の
   額のうちに教育訓練費の額の占める割合(教育訓練費割合)が0.15%
   以上である場合に、その損金算入された教育訓練費の額の一定割合の
   税額控除を認めるものです。

 2.適用対象法人
    この制度の適用対象法人は、青色申告法人のうち、中小企業者また
   は農業協同組合等です。

  (注)中小企業者とは次に掲げる法人をいいます。
     イ.資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人
      ※ 同一の大規模法人に発行済株式等の2分の1以上を所有され
       ている法人等を除く
     ロ.資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の
      数が1,000人以下の法人

 3.適用対象年度
    この制度は、平成20年4月1日から平成21年3月31日までの間に開始
   する各事業年度において適用できます。
    ただし、この事業年度であっても、解散(合併による解散を除く)
   の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度は除きます。

 4.教育訓練費の範囲
    この制度の対象となる教育訓練費とは、法人がその使用人(役員、
   役員の親族など役員と特殊の関係のある使用人及び使用人兼務役員を
   除きます。)の職務に必要な技術や知識を習得させ、または向上させ
   るために支出する費用で次のような費用をいいます。
    ただし、教育訓練費に充てるために他の者から支払いを受ける金額
   がある場合には、その金額を控除した残額がこの制度の対象となる教
   育訓練費の額になります。

  (1) 法人がその使用人に対して教育、訓練、研修、講習など(教育
    訓練等)を自ら行うために講師または指導者(その法人の役員ま
    たは使用人を除く)に対して支払う報酬、料金、謝金及びその教
    育訓練等のために施設、設備などを賃借する場合におけるその使
    用料など
   (2) 法人から委託を受けた他の者が教育訓練等を行う場合に、その
    委託を受けた他の者に対して支払う費用
   (3) 法人がその使用人を他の者が行う教育訓練等に参加させる場合
    に支払う授業料、受講料、受験手数料など
   (4) 法人が教育訓練等の用に供する教科書、教材などの購入または
    製作に要する費用(製作とは、他の者に委託して製作をした場合
    に限る)

 5.労務費の範囲
    この制度の対象となる労務費とは、給与等(俸給、給料、賃金、歳
   費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与で使用人に対して支給す
   るものに限られます。)、法定福利費(健康保険料、労働保険料など
   法令の規定により事業主が負担することとされている費用で使用人に
   係るものに限られます。)及び上記4に掲げる教育訓練費をいいます。

 6.税額控除限度額
    教育訓練費に対する税額控除限度額は、次により計算した金額です。
    ただし、控除税額がその事業年度の法人税額の20%相当額を超える
   場合には、その20%相当額を限度とします。

  (1) 教育訓練費割合が0.25%以上である場合
     損金算入された教育訓練費の額の12%相当額を税額控除限度額
    とします。
   (2) 教育訓練費割合が0.15%以上、かつ、0.25%未満である場合
     損金算入された教育訓練費の額に次の算式で算出した割合を乗
    じた額を税額控除限度額とします。
     (教育訓練費割合-0.15%)×40+8%

 7.適用要件
    この制度の適用を受ける場合には、確定申告書に教育訓練等の実施
   年月日、内容、参加した使用人名、支出した金額及び相手先などを記
   載した書類を添付しなければなりません。

 関連するリンク(国税庁)
  → http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5438.htm

 【このコーナーでは、税務・会計に関する最新の話題やちょっと気になる
  話題を紹介しています。】

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              人事・労務トピックス
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◆雇用保険制度の改正◆

  厳しい雇用失業情勢を踏まえ、雇用保険制度のセーフティネット機能及
  び失業された方に対する再就職支援機能を強化するため、雇用保険制度が
  改正されました。

  すでにこのメールマガジンで取り上げた内容も含まれていますが、あら
  ためておもな改正事項を以下にまとめます。

  なお、改正法の施行期日は平成21年3月31日ですが、下記6の育児休業
  給付の改正についてのみ平成22年4月1日施行となっています。

 1.雇用保険の適用範囲の拡大
    短時間就労者及び派遣労働者の方の雇用保険の適用基準が以下のと
   おり緩和されました。
   (旧)1年以上の雇用見込みがあること
      1週間当たりの所定労働時間が20時間以上であること
    ↓
   (新)6ヶ月以上の雇用見込みがあること
      1週間当たりの所定労働時間が20時間以上であること

 2.雇い止めとなった非正規労働者に対する基本手当の受給資格要件の
   緩和と所定給付日数の拡充
    特定受給資格者に該当しない方であっても、期間の定めのある労働
   契約が更新されなかったことその他やむを得ない理由により離職され
   た方(特定理由離職者)については、通常、基本手当の受給資格要件
   として離職日以前の2年間に被保険者期間が通算して12ヶ月以上必要
   なところ、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6ヶ月以上あ
   れば受給資格要件を満たすようになりました。

 3.再就職が困難な方に対する給付日数の延長
    倒産や解雇などの理由により離職された方(特定受給資格者)や期
   間の定めのある労働契約が更新されなかったことにより離職された方
   で、次の(1)~(3)のいずれかに該当する方について、特に再就職が困
   難だと公共職業安定所長が認めた場合は、給付日数が60日分(※)延
   長されます。

  (1) 受給資格に係る離職日において45歳未満の方
  (2) 雇用機会が不足している地域として指定する地域に居住する方
  (3) 公共職業安定所で知識、技能、職業経験その他の実情を勘案して
    再就職支援を計画的に行う必要があると認められた方

   ※ 被保険者であった期間が通算して20年以上かつ所定給付日数が
     270日または330日である方は、30日分の延長になります。

 4.再就職手当の給付率引き上げ、支給要件の緩和
    早期に再就職した方が一定の要件を満たしている場合に支給される
   「再就職手当」の給付率が、支給残日数に応じ、30%から次のとおり
   引き上げられました。

  〔基本手当の支給残日数が〕
    所定給付日数の3分の2以上である場合・・・50%
    所定給付日数の3分の1以上である場合・・・40%

   また、所定給付日数が90日または120日の方は、「支給残日数が所
   定給付日数の3分の1以上かつ45日以上」残っていることが必要とされ
   ていましたが、「支給残日数が所定給付日数の3分の1以上」あれば支
   給対象となるよう、支給要件が緩和されました。

 5.常用就職支度手当の給付率引上げ、支給対象者の拡大
    就職困難な方(障害のある方等)で再就職し、一定の要件を満たし
   ている場合に支給される「常用就職支度手当」の給付率が、30%から
   40%に引き上げられました。
 
    また、支給対象者を拡大し、再就職した日において40歳未満で、か
   つ、同一の事業主に雇用保険の一般被保険者として一定期間継続して
   雇用されたことがない方等が対象となりました。

 6.育児休業給付の統合と給付率引上げ措置の延長
    育児休業給付は育児休業中と職場復帰後に分けて支給されています
   が、平成22年4月1日以降に育児休業を開始した方については、給付金
   を統合して全額育児休業中に支給されることになりました。

   また、平成22年3月31日までとされていた給付率引上げ(休業開始
   時賃金の50%)が、当分の間、延長されます。

 7.雇用保険料率の引き下げ
    失業等給付に係る雇用保険料率が、平成21年度に限り0.4%引き下
   げられました(一般の事業の場合、1.2% → 0.8%を労使折半)。

 関連するリンク(厚生労働省)
  → http://www-bm.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/
index.html

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                  実務便利帳
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◆賃貸アパートを贈与するときの注意点◆

  父親の所有する投資用の賃貸アパートを子などに贈与するケースがあり
  ますが、このようなケースにおいては不動産本体とは別に預り敷金に相当
  する現金の贈与を行うか否かにより不動産の評価方法や課税関係が異なる
  こととなるため注意が必要です。

  具体的には、預り敷金相当額の現金贈与を行えば単純な贈与となり、評
  価額は相続税評価額、課税関係は贈与税のみを考えればよいこととなりま
  す。一方、預り敷金相当額の現金贈与を行わない場合は負担付贈与となり
  、評価方法は時価評価、課税関係は贈与税に加えて贈与者側の譲渡所得
  課税を考慮しなければならない場合が生じます。

  これについては、国税庁の質疑応答事例に参考となる事例が掲載されて
  いますので、負担付贈与に関する通達(下記関連リンク)とともにご参照
  ください。

 1.照会要旨
    父親が長男に対して賃貸アパート(建物)の贈与をしたが、この贈
   与にあたって、賃借人から預かった敷金に相当する現金200万円の贈
   与も同時に行っている。この場合、負担付贈与通達(平成元年3月29
   日付直評5外)の適用を受けることとなりますか。

 2.回答要旨
    敷金とは、不動産の賃借人が、賃料その他の債務を担保するために
   契約成立の際、あらかじめ賃貸人に交付する金銭(権利金と異なり、
   賃貸借契約が終了すれば賃借人に債務の未払いがない限り返還される)
   であり、その法的性格は、停止条件付返還債務である(判例・通説)
   とされています。

   また、賃貸中の建物の所有権の移転があった場合には、旧所有者に
   差し入れた敷金が現存する限り、たとえ新旧所有者間に敷金の引継ぎ
   がなくても、賃貸中の建物の新所有者は当然に敷金を引き継ぐ(判例・
   通説)とされています。

   ところで、照会のように、旧所有者(父親)が賃借人に対して敷金
   返還義務を負っている状態で、新所有者(長男)に対し賃貸アパート
   を贈与した場合には、法形式上は、負担付贈与に該当しますが、当該
   敷金返還義務に相当する現金の贈与を同時に行っている場合には、一
   般的に当該敷金返還債務を承継させ(す)る意図が贈与者・受贈者間
   においてなく、実質的な負担はないと認定することができます。

   したがって、照会の場合については、実質的に負担付贈与にあたら
   ないと解するのが相当ですから、負担付贈与通達の適用はありません。

  (注)なお、照会の場合については、実質的に負担付贈与に該当せず、
     譲渡の対価がありませんので父親に対して譲渡所得に係る課税は
     生じません。

 <注意事項>
   ※ 平成20年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成されています。
   ※ この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答
    であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありません
    から、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合において
    は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注
    意ください。

 関連するリンク(国税庁)
  → http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/
sozoku/14/08.htm
  → http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/
kobetsu/sozoku/890329/01.htm

 【このコーナーでは、経理・総務の実務で役立つ話題を取り上げています。】

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                6月のお仕事
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【5月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の
  住民税の特別徴収額(前年12月~当年5月分)の納付】
  納期限・・・ 6月10日(水)

【所得税の予定納税額の通知】
  通知期限・・・ 6月15日(月)

【4月決算法人の確定申告】<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・
  (法人事業所税)・法人住民税>
  申告期限・・・ 6月30日(火)

【1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告】
  <消費税・地方消費税>
申告期限・・・ 6月30日(火)

【法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告】<消費税・地方
  消費税>
  申告期限・・・ 6月30日(火)

【10月決算法人の中間申告(半期分)】<法人税・消費税・地方消費税・
  法人事業税・法人住民税>
  申告期限・・・ 6月30日(火)

【消費税の年税額が400万円超の1月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間
  申告】<消費税・地方消費税>
  申告期限・・・ 6月30日(火)

【消費税の年税額が4,800万円超の3月、4月決算法人を除く法人・個人事
  業者の1月ごとの中間申告(2月決算法人は2ヶ月分)】<消費税・地方
  消費税>
  申告期限・・・ 6月30日(火)

【個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第1期分)】
  納期限・・・ 6月、8月、10月及び1月中(均等割のみを課する場合に
        あっては6月中)において市町村の条例で定める日

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◆メールマガジン「中小企業のための本当の経理」◆

 税理士安藤裕がお届けするメールマガジン「中小企業のための本当の経理」
  安藤がそのときに思っていること、感じていることをお伝えするメールマ
  ガジンです。
  発行はほぼ日刊。安藤の考え方がよくわかります。

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  ービスの「まぐまぐ」からお申込みいただけます。(ID:150574)
  → http://www.mag2.com/m/0000150574.html

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                   編集後記
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  ゴールデンウィーク明けの週末に横浜市金沢区にある金沢自然公園に行
  ってきました。昼過ぎに到着して芝生の上でお弁当を食べ、さて園内を散
  策しようかと思ったら子どもがぐずり始めて車の中に退散。どうやら眠
  かったようで、すやすやとお昼寝を始めてしまいました(その後で参加し
  たいとこの誕生会でも寝まくっていました)。
   結局園内散策はあきらめて帰路についたので、遠路はるばるおにぎりを
  食べに行っただけの遠足になってしまいました。併設の動物園にはコアラ
  もいたのにな。。でも緑が多くて気持ちのよいところだったのでぜひまた
  行ってみたいです。今度はコアラを見るぞ。(編集担当 竹城)

◆最後までお読みいただき、ありがとうございました。
  会計工房通信は毎週木曜日に発行します。次回の発行予定は5月28日です。

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