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会計工房通信 【No.0154】

  今回は、平成21年度税制改正で新しい事業承継税制として創設された
  「非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度」の概要を紹介しま
  す。

  適用にあたっての制約が多く、かならずしも使い勝手のよい制度ではな
  いように思えますが、事前準備が必要とされていますので、制度の利用を
  考えている場合は内容を確認しておくことをおすすめします。

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              税務・会計トピックス
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◆非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度◆

  平成21年度の税制改正において「中小企業における経営の承継の円滑化
  に関する法律(経営承継円滑化法)」に基づく相続課税の制度拡充として
  「非上場株式等に係る相続税及び贈与税の納税猶予制度」が創設されまし
  た。今回は、それぞれの制度の概要として、手続きの流れと適用要件を紹
  介します。

  なお、これらの制度はいずれも納税の「猶予」制度であり、原則として
  納税額を軽減したり免除するものではないことに留意してください。

 ○ 非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度

   後継者である相続人等が、相続等により、経済産業大臣の認定を受
   ける非上場会社の株式等を被相続人(先代経営者)から取得し、その
   会社を経営していく場合には、その後継者が納付すべき相続税のうち、
   その株式等(一定の部分に限ります)に係る課税価格の80%に対応す
   る相続税の納税が猶予されます。

   なお、この特例は、平成20年10月1日以降の相続等に係る相続税に
   ついて遡及して適用されます。

  【手続きの流れ】
   1.相続開始前に経営承継円滑化法に基づき、会社が計画的な事業承
    継に係る取組みを行っていることについての「経済産業大臣の確認」
    を受ける。

  2.相続開始後8ヶ月以内に経営承継円滑化法に基づき、会社の要件、
    後継者(相続人等)の要件、先代経営者(被相続人)の要件を満た
    していることについての「経済産業大臣の認定」を受ける。

  3.相続税の申告期限(※)まで(相続開始後10ヶ月以内)に、この
    特例の適用を受ける旨を記載した相続税の申告書及び一定の書類を
    税務署へ提出するとともに、納税が猶予される相続税額及び利子税
    の額に見合う担保を提供する。

   ※ 平成20年10月1日から平成21年3月31日までの間に亡くなられた
     方に係る相続税については、一定の要件を満たす場合に、その申
     告期限が平成22年2月1日まで延長されます。

  4.申告後も引き続き特例の適用を受けた非上場株式等を保有するこ
    と等(※)により、納税の猶予が継続される。

   ※ 特例の適用を受けた非上場株式等を譲渡するなど一定の場合に
     は、納税が猶予されている相続税の全部または一部について利子
     税と併せて納付する必要があります。

  5.引き続きこの特例の適用を受ける旨や会社の経営に関する事項等
    を記載した「継続届出書」を相続税の申告期限後5年間は毎年、5年
    経過後は3年ごとに所轄税務署へ提出(※)する。

   ※ 「継続届出書」の提出がない場合には、猶予されている相続税
     の全額と利子税を納付する必要があります。

  6.後継者の死亡等があった場合には、「免除届出書」を提出するこ
    とにより、その死亡等があったときに納税が猶予されている相続税
    の全部または一部についてその納付が免除される。

  【適用要件】
   1.会社の主な要件
     次の会社のいずれにも該当しないこと。
    (1) 上場会社
    (2) 中小企業者に該当しない会社
    (3) 風俗営業会社
    (4) 資産管理会社
    (5) 総収入金額が零の会社、従業員数が零の会社

  2.後継者(※)である相続人等の主な要件
    (1) 相続開始から5ヶ月後において会社の代表者であること
    (2) 先代経営者(被相続人)の親族であること
    (3) 相続開始の時において、後継者及び後継者と同族関係等がある
     者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、これらの者
     の中で最も多くの議決権数を保有することとなること

    ※ この特例の対象となる「後継者」は、1つの会社につき1人に
      限ります。

  3.先代経営者である被相続人の主な要件
    (1) 会社の代表者であったこと
    (2) 相続開始直前において、被相続人及び被相続人と同族関係等の
     ある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、後継者
     を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこ
     と

  4.担保提供
     納税が猶予される相続税額及び利子税の額に見合う担保を、税務
    署に提供する必要があります。

 ○ 非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度

   後継者である受贈者が、贈与により、経済産業大臣の認定を受ける
   非上場会社の株式等を親族(先代経営者)から全部または一定以上取
   得し、その会社を経営していく場合には、その後継者が納付すべき贈
   与税のうち、その株式等(一定の部分に限ります)に対応する贈与税
   の全額の納税が猶予されます。

   なお、この特例は、平成21年4月1日以降の贈与に係る贈与税につい
   て適用されます。
  
  【手続きの流れ】
   1.贈与前に経営承継円滑化法に基づき、会社が計画的な事業承継に
    係る取組みを行っていることについての「経済産業大臣の確認」を
    受ける。

  2.この特例の適用を受けるためには、贈与により、先代経営者であ
    る贈与者から、全部または一定以上の非上場株式等を取得する必要
    がある。

  3.贈与税の申告期限までの間に経営承継円滑化法に基づき会社の要
    件、後継者(受贈者)の要件、先代経営者(贈与者)の要件を満た
    していることについての「経済産業大臣の認定(※)」を受ける。

   ※ 「経済産業大臣の認定」を受けるためには、贈与を受けた年の
     翌年の1月15日までにその申請を行う必要があります。

  4.贈与税の申告期限(贈与を受けた年の翌年の3月15日)までに、
    この特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書及び一定の書
    類を税務署へ提出するとともに、納税が猶予される贈与税額及び利
    子税の額に見合う担保を提供する。

  5.申告後も引き続き特例の適用を受けた非上場株式等を保有するこ
    と等(※)により、納税の猶予が継続される。

   ※ 特例の適用を受けた非上場株式等を譲渡するなど一定の場合に
     は、納税が猶予されている贈与税の全部または一部について利子
     税と併せて納付する必要があります。

  【適用要件】
   1.会社の主な要件
     「非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例」における会
    社の要件と同様。

  2.後継者である受贈者の主な要件
     贈与の時において、
    (1) 会社の代表者であること
    (2) 先代経営者(贈与者)の親族であること
    (3) 20歳以上であること
    (4) 役員等の就任から3年以上を経過していること
    (5) 後継者及び後継者と同族関係等のある者で総議決権数の50%超
     の議決権数を保有し、かつ、これらの者の中で最も多くの議決権
     数を保有することとなること

  3.先代経営者である贈与者の主な要件
    (1) 会社の代表者であったこと
    (2) 贈与の時までに会社の役員を退任すること
    (3) 贈与直前において、贈与者及び贈与者と同族関係等のある者で
     総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、後継者を除いた
     これらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと

  4.担保提供
     納税が猶予される贈与税額及び利子税の額に見合う担保を税務署
    に提供する必要があります。

 関連するリンク(国税庁)
  → http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/
sozoku-zoyo/7425/01.htm
  → http://www.nta.go.jp/jigyo-syokei/index.htm

 【このコーナーでは、税務・会計に関する最新の話題やちょっと気になる
  話題を紹介しています。】

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              人事・労務トピックス
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◆労働保険の年度更新申告書計算支援ツール◆

  厚生労働省では、ホームページ上に労働保険の年度更新申告書に記載す
  る保険料の計算を自動で行うことができる計算支援ツールを掲載しました。

  従来、労働保険の年度更新の申告書に同封されていた賃金集計用の用紙
  をエクセルの機能を使ったツールに置き換えたものです。

  このツールを使えば、保険料の計算が自動で行われ、また、計算結果を
  申告書に転記するためのシートを作成することができます。これまで手計
  算で集計されていた方は、今年度はこのツールを利用することによって事
  務の手間がすこし省けるのではないでしょうか。

 関連するリンク(厚生労働省)
  → http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/
roudouhoken01/tool.html

 【このコーナーでは、人事・労務に関する最新の話題やちょっと気になる
  話題を紹介しています。】

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                5月のお仕事
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【4月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付】
  納期限・・・ 5月11日(月)

【特別農業所得者の承認申請】
  申請期限・・・ 5月15日(金)

【3月決算法人の確定申告】<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・
  (法人事業所税)・法人住民税>
  申告期限・・・ 6月1日(月)

【個人の道府県民税・市町村民税の特別徴収税額の通知】
  通知期限・・・ 6月1日(月)
         ※ 特別徴収義務者経由、納税義務者へ通知

【3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る
  確定申告】<消費税・地方消費税>
  申告期限・・・ 6月1日(月)

【法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告】<消費税・地方
  消費税>
  申告期限・・・ 6月1日(月)

【9月決算法人の中間申告(半期分)】<法人税・消費税・地方消費税・
  法人事業税・法人住民税>
  申告期限・・・ 6月1日(月)

【消費税の年税額が400万円超の6月、9月、12月決算法人・個人事業者の
  3月ごとの中間申告】<消費税・地方消費税>
  申告期限・・・ 6月1日(月)

【消費税の年税額が4,800万円超の2月、3月決算法人を除く法人・個人事
  業者の1月ごとの中間申告(1月決算法人は2ヶ月分、個人事業者は3ヶ月
  分)】<消費税・地方消費税>
  申告期限・・・ 6月1日(月)

【確定申告税額の延納届出による延納税額の納付】
  納期限・・・ 6月1日(月)

【自動車税の納付】
  賦課期日・・・ 4月1日(水)
  納期限 ・・・ 5月中において都道府県の条例で定める日

【鉱区税の納付】
  賦課期日・・・ 4月1日(水)
  納期限 ・・・ 5月中において都道府県の条例で定める日

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      株式会社会計工房 / 安藤裕税理士事務所からのご案内
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◆メールマガジン「中小企業のための本当の経理」◆

 税理士安藤裕がお届けするメールマガジン「中小企業のための本当の経理」
  安藤がそのときに思っていること、感じていることをお伝えするメールマ
  ガジンです。
  発行はほぼ日刊。安藤の考え方がよくわかります。

 メールマガジン「中小企業のための本当の経理」はメールマガジン配信サ
  ービスの「まぐまぐ」からお申込みいただけます。(ID:150574)
  → http://www.mag2.com/m/0000150574.html

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                   編集後記
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  すでに大型連休に突入している方もおられると思いますが、カレンダー
  どおりであれば今週末からゴールデンウィークですね。みなさまもう予定
  はたてておられますか。私は今年は人ごみを避けてのんびりと過ごす連休
  にする予定です。(編集担当 竹城)

◆最後までお読みいただき、ありがとうございました。
  会計工房通信は毎週木曜日に発行します。次回の発行予定は5月14日です。

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